今回は、長時間の座り作業が原因で「足のしびれ」に悩まされていた50代男性の症例をご紹介します。
■ご来院のきっかけ
患者様はIT関係の仕事をされており、日常的に10時間以上パソコンに向かう生活。
数週間前から左足にしびれと鈍痛を感じ始め、次第に座っているのもつらい状態になり、当院にご相談いただきました。
■評価と見立て
初回の問診と触診で、『梨状筋(りじょうきん)』と呼ばれるお尻の深部筋に過度の緊張がみられ、坐骨神経を圧迫している可能性が高いと判断しました。
「梨状筋症候群」といわれる状態です。
■施術内容
・トリガーポイントを意識した深層筋への鍼施術
・梨状筋および周囲筋の筋膜リリース
・骨盤・股関節周囲のアライメント調整
これらを組み合わせ、2週に1回の施術を3回継続しました。
■経過と結果
施術1回目からお尻の奥の張り感が和らぎ、3回目あたりで座っている際のしびれがほぼ消失。
最終的には、長時間のデスクワークもストレスなく行えるようになりました。
現在は月1回のメンテナンスで良好な状態をキープされています。
■ 梨状筋症候群とは?
梨状筋症候群は、お尻の奥にある「梨状筋」という小さな筋肉が硬くなり、そのすぐ下を通る坐骨神経を圧迫して起こる症状です。
主な症状は次のとおりです:
お尻〜太ももの裏にかけての痛みやしびれ
長時間座っていると悪化(特に車の運転時)
歩き始めや立ち上がりで痛みが出る
股関節やお尻のストレッチで症状が変化する
原因としては、長時間の座位姿勢、股関節まわりの柔軟性不足、スポーツや日常動作での使いすぎなどが挙げられます。
適切な施術で回復が期待できます。
■ 坐骨神経痛との違い
坐骨神経痛は病名ではなく、腰から足にかけて伸びる坐骨神経が何らかの理由で刺激・圧迫されて生じる「症状の総称」です。
原因はさまざまで、代表的なものには以下があります:
腰椎椎間板ヘルニア
腰部脊柱管狭窄症
梨状筋症候群 など
つまり、梨状筋症候群は「坐骨神経痛を引き起こす原因のひとつ」という位置づけです。
腰に原因がある場合と、お尻の筋肉に原因がある場合ではアプローチが異なるため、原因の見極めが重要になります。
■まとめ
梨状筋症候群は、腰痛や椎間板ヘルニアと誤診されやすい疾患ですが、的確な評価とアプローチにより十分改善が可能です。
長時間のデスクワークでお尻や足のしびれ・違和感がある方は、放置せず早めにご相談ください。
アップライフ治療院では、原因の見極めと、根本改善を目指した施術をご提供しています。