今回は、前回の「大会1週間前の食事について」に引き続き、試合当日の食事・栄養補給について記載していきます。
試合当日の食事
試合当日の食事も試合一週間前と同様に糖質中心の食事が推奨されますので、試合前に食べるといいものとしてはごはんやパンなどのエネルギー源になる食べ物です。
大切なことは、当日の食事では食べるものだけでなく、食べるタイミングも非常に大切になってきますので、意識しましょう。
まず栄養素から考えていきましょう。
・エネルギーを維持するための炭水化物
なぜ炭水化物が重要か
試合日の食事で炭水化物を摂ることは、エネルギーを維持するためにとても重要です。
炭水化物は体の主要なエネルギー源となり、試合中のパフォーマンスを支えます。脳のエネルギー源はブドウ糖(炭水化物)であり、一日中ブドウ糖を燃焼しているといわれています。
炭水化物が不足し、脳のエネルギー源にあたるブドウ糖が不足してしまうと、脳へ栄養が十分に行き渡らず、思考力が低下しやすくなるのです。
炭水化物をしっかりと摂ることで、試合中のスタミナを維持し、集中力を保つことができます。
・筋肉の修復と成長を助けるタンパク質
なぜタンパク質が重要か
タンパク質は、筋肉の修復と成長を助けるために欠かせない栄養素です。試合日には、適度なタンパク質を摂ることで、体の回復をサポートします。
朝食に、卵やヨーグルト、ナッツを追加
試合前の食事には、鶏肉や豆腐、魚を取り入れましょう
試合後には、プロテインシェイクや豆乳でタンパク質を補給
適切なタンパク質摂取により、試合中の筋肉の疲労を軽減し、試合後の回復を早めることができます。
・脂質と食物繊維は控える
脂質について
試合前は緊張感も高まりストレスがかかりやすいです。
ストレスがかかると消化機能も低下しやすいので、消化吸収に時間がかかる脂肪分が多いものは控えるようにしましょう。
脂肪分の多い食品は脂身の多い肉や、天ぷらやフライなどの揚げ物、ドレッシングやマヨネーズになります。
肉や魚を使った主菜のおかずも量を少なめにして下さい。
洋食や洋菓子は脂肪分が多くなる傾向にあるため、和食中心のメニューがおすすめですが、海外遠征などではなかなか難しくなってきます。
あまりレトルト製品はお勧めしませんが、レトルトのご飯を持っていくのも一つの手段になってくるかと思います。
団体競技であれば、日本から炊飯器と無洗米を持っていくチームも増えてきていると聞いています。
昨年のヨルダンでの海外遠征では、炊飯器(海外使用)を2台持ち込んで選手約18名で40kgを全て完食しました。
大会期間前から毎日体重管理をしておりましたが、お米のお陰もあって大幅な体重ダウンをする選手は見受けられませんでした。
食物繊維について
試合前調整期では便秘予防のために積極的な食物繊維の摂取を心がけますが、胃腸に負担のかかる栄養素のため試合当日には不向きです。
また、食物繊維のとり過ぎは腸内にガスがたまりやすくお腹が張ったり、下痢を引き起こす原因にもなりかねませんので、試合当日は野菜や海藻類・きのこ類は控えめにする方がよいでしょう。
栄養不足が気になりますが、ビタミンは野菜ジュースやフルーツジュースを活用してとりましょう。
ビタミンとミネラルの補給
なぜビタミンとミネラルが重要なのか
ビタミンやミネラルは、体の様々な機能をサポートするために必要な栄養素です。
試合当日の食事でこれらを摂ることで、体の調子を整え、パフォーマンスを向上させることができます。
試合当日のタイムスケジュール
試合当日の食事も前日と同様に糖質中心の食事が推奨されますので、試合前に食べるといいものとしてはごはんやパンなどのエネルギー源になる食べ物です。
試合開始までにできるだけエネルギーを貯えておけば、パフォーマンスの低下を最小限にすることができます。
そこで試合当日も、主食と果物中心の高炭水化物(糖質)食を摂りましょう。
また、試合開始時間から逆算して、3~4時間前までに食事を済ませることもポイントです。
試合開始時間などによって一度に食べられないようであれば、食事回数を分けるなど食べやすい方法を工夫しましょう。
“試合開始時には、胃の中は空っぽ、でもエネルギーは満タン”
という状態がベストです!
当日の食事では、食べるものだけでなく食べるタイミングも意識しましょう!!
試合開始の3~4時間前
炭水化物(糖質)中心の食事
・おにぎり
・うどん
・パスタ
・もち
・パン類
1時間前
・バナナ
・エネルギーゼリー
・ビタミンタブレット
・アメ
30分前
・エネルギードリンク
試合直前
・アメ
・ブドウ糖タブレット
試合開始3~4時間前に十分な食事を済ませても、試合時間が長いため、途中で頭とカラダのエネルギーが切れ、スタミナや集中力が落ちてきてしまいます。そこで、試合開始時間や試合と試合の間の時間を考慮して食べるものを選び、上手に栄養補給をするコツをマスターしましょう。
それぞれの場面に合わせて調整してみてください。
まとめ
試合当日の食事は、エネルギーを維持するための炭水化物、筋肉の修復と成長を助けるタンパク質、脂質と食物繊維は控える、試合当日のタイムスケジュールが重要です。
他にも試合後の栄養補給や食事も大切になってきますので、また次回にまとめていければと思います。
これらのポイントを守ることで、試合中に最高のパフォーマンスを発揮し、競技を楽しむことができます。
参考になれば、幸いです。